諸塚村は、3年の年月をかけて村の隠れた地域資源を探し、平成22年の夏に、数多くある神社・仏閣などの中から選りすぐりのスピリチュアルスポット33か所を選定した「もろつかスピリチュアルスポット33寄り(みみより)マップ」を作成し、「もろつかスピリチュアルスポットめぐり」を始めました。
この「スピリチュアルスポットめぐり」とは、世界(※注1:FSC)が認めた諸塚村の森の中を散策し、地元の方々が長年大切に守っている自然と歴史、文化に触れることができる体験型ツアーです。スポットめぐりは、参加者が希望するテーマや時間に合わせて、オリジナルのコースをつくっていただけます。我々は、昼食を含めて3時間のコースでお願いしたところ、村役場の企画課の中本さんにガイドをしていただき「立岩地区」に行くことになりました。
最初に訪れたのは、役場から車で約20分ほどのところにある「立岩大明神」で、大きな舟の形をした自然石の上に祠が祀られていました。一説には、「太古のこと、大明神様が栂(とが)の節に乗って、耳川をお下りになったところ、美々津の人々がお迎えしてお祀りしたのが、現在の美々津(日向市)の立磐神社である。」とも言われているそうです。
岩立大明神
次に、車で約5分ほど走ったところにある「諸塚神社」を訪れました。元々諸塚山にあったようですが、焼失したため、昭和43年に現在のところに移転したということでした。なんと言っても、この諸塚神社の特徴は、高天原時代以前の神から28柱を祀っている神社であり、他に例がないということと、境内横にある樹齢400年の欅の木や、本殿の真後ろにまっすぐに伸びた杉の木など、本殿のまわりの巨木が厳かな雰囲気をかもし出しているところです。
諸塚神社
この後、「若狭守社」「立岩観音堂」「矢村稲荷」を訪れました。今回は、時間の関係で5箇所しか廻れませんでしたが、日常生活のストレス、時間に追われる生活からちょっと別の次元に飛び込んだような、静かで、神秘的な時間を体験することができました。
スピリチュアルスポットは、この他にも「地元の人でもなかなか訪れないゴロウソウ滝」や「82体のお地蔵様が並んでいる家代・観音山」「宮崎県巨樹指定のトチノキがある小原井神社」など村内全域にあるそうです。
昼食は、ヒノキで作られた「めんぱ」に、地元の山の幸がたっぷり入ったお弁当で、とってもおいしく、大満足でした。
めんぱのお弁当
帰り際に、ガイドの中本さんから「こころの小槌(こづち)“ちょーちょこべ”」をいただきました。これは、スポットめぐりに参加した人に贈られるもので、中身は「からすうりの種」でした。「からすうり」を方言で、“ちょーちょこべ”といい、その種は形が大黒様の打ち出の小槌に似ているところから、財布に入れて携帯すると“いいこと”があるといわれる縁起物。
こころの小槌(こづち)“ちょーちょこべ”
是非皆さんも、「心身のリフレッシュ」を諸塚の森で体験してみてはいかがですか。
※注1
FSCとは、森林管理協議会のことで、木材を生産する世界の森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際機関