浅ヶ部八十八カ所霊場巡り

2011 年 4 月 7 日 投稿者:

神話の里「高千穂」、この町の浅ヶ部地区で八十八カ所霊場巡りができることをご存知ですか?

霊場めぐり案内板

霊場めぐり案内板

高千穂町浅ヶ部地区では、天保3年から5年にかけて大飢饉にあい、庄屋が藩に訴えて肥後米を買い付け、難を乗り越えました。その時近郷から得た浄財により、有志が四国八十八ヶ所の寺院の土をもらって帰り、天保6年3月21日に浅ヶ部地区に開眼・開場されました。

 

 

 

今回は、時間(体力もですが・・・)の都合上全てを巡ることはできませんでしたが、「周遊MAP」を片手に数ヶ所巡ってきました。ご本尊が民家の敷地内にあったり、元気なおばあちゃんに道を案内していただいたりとこの土地の方とふれあうこともできました。

1番霊山寺 釈迦如来

3番 金泉寺 

3番 金泉寺 

毎月21日には霊場の参拝者が多く集うそうですが、旧暦1月21日の初大師、旧暦3月21日の弘法大師の忌日、旧暦7月21日には各お茶屋さんでお茶や赤飯などのお接待があってさらににぎわうそうです。旧暦の3月21日には祖先の慰霊供養「施餓鬼(せがき)法要」、前日の20日は焼山寺での「おこもり」、21日にかけて八十八カ所を歩いて回る「おやまかけ」が行われます。

3番金泉寺の春戸茶屋。

3番金泉寺の春戸茶屋。

 

2番極楽寺の地主森茶屋。民家の敷地内にありました。

2番極楽寺の地主森茶屋。民家の敷地内にありました。

今回、ご本尊は数ヶ所しか参拝することができませんでしたが、時間を忘れてのどかな田園風景を散策し、「たんぽぽ」や「ふきのとう」などを目にして、春を感じることもできました。 また、ご本尊を探しながら歩いていると宝探しをしているようなちょっとワクワクした気持ちを味わうこともできました。

45番岩屋守からの眺め

45番岩屋守からの眺め

1時間~2時間30分程で廻れるコースや車でも廻れるコースなどもあります。自然や人にふれあいながら、のんびりと参拝してはいかがですか?

美しい建築彩色「丹青(タンチョン)」(旧南郷村)

2011 年 4 月 6 日 投稿者:

 周囲を山々に囲まれた美郷町南郷区にひときわ鮮やかな色彩で彩られた建物「百済の館」と恋人の丘の「百花亭」があります。

 建物には、赤や青、朱色、などの鮮やかな丹青(タンチョン)が施されており、色彩の織りなす美しさに時間を忘れ、思わず見入ってしまいます 。

建物に施された丹青(タンチョン)

建物に施された丹青(タンチョン)

 丹青の色彩は赤・青・朱色など原色八種と合成色五種を用い、仏教の由来から蓮華(レンゲ)や龍・鳳凰などの絵を柱や梁・垂木などに色鮮やかに描く韓国の伝統的な彩色です。

 使われている塗料は、韓国独特の材料で木材の保存性がよく、防水性に優れ、約百年は変色しないと言う優れた特性があります。

 丹青工事は、国家資格がないと仕事が出来ないため、韓国扶餘(プヨ)から優秀な丹青師7人を招いて「百済の館」・恋人の丘の「百花亭」に丹青を施しました。丹青師は、一人前になるまでに15年かかると言われています。

室内にも丹青(タンチョン)が施されている

百済の館の室内

 

 

【百済の館】

 百済の古都・扶餘(プヨ)に建つ客舎をモデルに韓国との交流のシンボルとして平成2年に建設されました。

 百済時代の国宝・重要文化財のレプリカ展示や、百済文化の足跡も詳しく紹介されている。

百済の館

【恋人の丘 百花亭】

 扶餘(プヨ)の落花岩に建つ「百花亭」を再現したものです。

 ここには、韓国との友好の証として届けられた「絆の鐘」と呼ばれる一対の鐘があります。

 恋人、親子、兄弟姉妹などで鐘を鳴らすと、より絆が強くなり、ここで誓った愛は永遠にこわれることはないとされています。

恋人の丘「百花亭」

絶品!山の幸(旧北郷村)

2011 年 4 月 6 日 投稿者:

 美郷町北郷区黒木にある小さな集落の一角に今年2月にオープンした「小黒木(こくろぎ)農家レストラン『味さと(みさと)』」をたずねました。

小黒木農家レストラン「味さと」

小黒木農家レストラン「味さと」

 「地域を元気にしたい」と地元の夫婦3組で小黒木集落活性化協議会を立ち上げ、地元の食材を使った四季折々の料理を提供しています。

 スギ材がふんだんに使われた店内には、掘りごたつ式のお座敷とテーブル席があり、木のぬくもりを感じながら食事をすることが出来ます。

 

店内の様子

店内の様子

 この日いただいた「四季のお膳料理」は、春のてんぷら(よもぎ、ふきのとう、しいたけ、ダイズのかき揚げ)、菜の花と金柑の酢の物、ノビルと新たまねぎと人参の酢味噌あえなどが8品並び春を感じるうれしいお膳となっていました。

 また、デザートのふつ団子(よもぎ団子)は、さわやかなよもぎの香りと甘さひかえめのアンコが絶品でした。

春の膳

春の膳

  代表の阿部ひとみさんは、「ここには、四季折々の山の幸がたくさんあるんですよ。多くの方に来てもらって味わっていただき、交流を深めたいですね。これからの季節は、山菜がおいしい季節になるからね。」と笑顔で話されていました。

右が代表の阿部ひとみさん

右が代表の阿部ひとみさん

  

 営業時間は、午前11時~午後3時が昼食、午後3時~午後5時がおやつ、午後6時~午後9時が夕食(金・土曜日だけ、完全予約)で水曜日が定休日。

 詳しくは、「味さと」のホームページでhttp://www.ab.auone-net.jp/~ko-r/index.html

走らない列車に乗って見る夢は?

2011 年 3 月 31 日 投稿者:
 

 

 日之影町の日之影温泉駅。

 旧高千穂鉄道高千穂線の駅の一つで、全国的に珍しい、鉄道の駅と温泉が合体しており、列車を待つちょっとの間温泉を楽しめることで話題となりました。平成17年の台風により鉄道は廃止になりましたが、平成22年4月、ここに新しい施設が誕生しました。

 「TR列車の宿」。

 実際に高千穂線を走っていた列車2両を改装した簡易宿泊施設です。

  

TR列車の外観です。走っていた当時の姿そのまま

TR列車の外観です。走っていた当時の姿そのまま

【TRって?】

 高千穂鉄道株式会社の略称で、延岡市から日之影町、高千穂町までを結ぶ鉄道でした。

 水面から線路までの高さが東洋一を誇る第1高千穂橋梁や、沿線から眺める八戸(やと)観音滝、「神話の里」高千穂に薫る浪漫。五ヶ瀬川の渓谷に沿って走るため、新緑や紅葉など四季折々の美しさが楽しめる風光明媚な観光鉄道としても人気でした。

 平成15年にはトロッコ列車「トロッコ神楽号」が運行され、「窓がないことで心地よい風が感じられる」「見どころに近づくとゆっくりとした速さになり、車内に流れるアナウンスと共に沿線の景色が堪能できる」と好評でしたが、平成17年の台風により甚大な被害を受け、平成20年に全線廃止となりました。

 

 旧高千穂鉄道から日之影町に譲渡された列車は「かりぼし号」と「せいうん号」。

 全長約16メートルあった車両は、ちょっとコンパクトになって、外観デザインは当時のまま、レールの上でお客さんが来るのを待っています。

 

写真左:せいうん号、写真左:かりぼし号。プレートデザインがかわいらしいですね

写真左:せいうん号、写真左:かりぼし号。プレートデザインがかわいらしいですね

 

 プラットフォームにある「ひのかげおんせん」の看板が雰囲気を盛り上げます。

プラットフォームに案内板。高千穂鉄道の名残が

プラットフォームに案内板。高千穂鉄道の名残が

 

 

 さて、入り口に繋がる階段をトントンと上がって扉を開けると……。

嬉しいお出迎え「いらっしゃいませ」

嬉しいお出迎え「いらっしゃいませ」

 

 なんと目の前に運賃箱が!

 レトロな感じがまた、イイ味を出しています。

運転席や計器類などもそのままの形で残っています

運転席や計器類などもそのままの形で残っています

 

 この運転席には座ることもできます。車掌さん気分も味わえるなんて、列車好きにはたまらないですね。

 

写真左:四人部屋、写真右:二人部屋

写真左:四人部屋、写真右:二人部屋。車内はこんな感じ

 ベッド横の車窓からは視界いっぱいに新緑が広がり、ちょっと目線を下げると、そこには五ヶ瀬川のせせらぎが。思わず深呼吸。普段、喧騒に身を置いていると気づきにくい自然の放つ清涼な空気に、次第に肩の力も抜けていきます。

 

 宿の数は、一人部屋、二人部屋、四人部屋が2室ずつあり、合計6つ。料金は、一人部屋が3千5百円、二人部屋が6千円、四人部屋が1万円です。

 それぞれの部屋の名前には、「日之影温泉駅」「影待駅」「深角駅」など駅名が採用されています。日之影町ならではですね。鉄道ファンでなくても心躍ります。

 ちなみに、TR列車の宿では食事や入浴ができません。隣接する日之影温泉駅内のレストランと温泉の利用をおすすめします。

 

 宿を出たところで、右側から湯気がほのかに立ち上っているのが見えます。

 近づくと足湯を発見!無料で足湯体験ができます。

 ここでは、足を温めながら隣合った人達との心の交流が楽しめそうです。

列車の宿のすぐ横に足湯を発見!無料です。写真左:足湯、写真右:足湯をしながらこんな風景が楽しめます

写真左:足湯、写真右:足湯をしながらこんな風景が楽しめます

 

 TR列車の宿を運営する、ひのかげ列車の宿有限責任事業組合の方いわく「列車に泊まれるということで、お子さまのいるご家族の利用が多いですね。土日祝日は予約で埋まることが多いので、平日が狙い目ですよ」。

 

 「予約したい」「もっと詳しく知りたい!」と思ったら、ひのかげ列車の宿有限責任事業組合(電話:0982-87-2600)までどうぞ。

 

 日之影町の公式ホームページでも紹介しています。 (トップページの左コンテンツ内「TR列車の宿」をクリック)

 http://www.hinokage.jp/web/index.shtml

  

 かつて線路を駆け抜けた列車は目的地を変え、安らぎと夢の世界へと貴方を運びます。

えー!! あの「厳島神社」が椎葉にもあった!!

2011 年 3 月 24 日 投稿者:

皆さんは、椎葉村の「平家伝説」をご存知でしょうか。

 

 今から約800年前、壇ノ浦の戦いで敗れた平家の武士たちは、山深い椎葉の地に逃げ延び、つつましい暮らしを送っていました。この平家一族のことを知った鎌倉幕府の総大将である源頼朝は、弓矢の名手、那須与一宗高(なすのよいちむねたか)の弟である大八郎宗久(だいはちろうむねひさ)に追討を命じました。

厳島神社

 

 しかし、貧しい彼らの暮らしぶりを見て哀れに思った大八郎は、追討を断念し、幕府には「討伐を果たした」と嘘の報告をしたといいます。

 

 さらには、椎葉の地にとどまり、平家の守り神である厳島神社を勧請したり、農耕のてほどきなどをし、彼らとともに暮らすようになりましたが、やがて、大八郎は平家の末裔である鶴富姫と恋に落ち、鶴富姫は大八郎の子を身ごもりました。

 

 そんなときに、大八郎のもとへ鎌倉から無常にも帰還命令が・・・。

 

 大八郎は身おもの鶴富に対し「男子が生まれたら我が故郷の下野(しもつけの)国へ、女子なら遣わすに及ばず」と言い残し、この地を後にしました。

 

 月日が流れ、鶴富は女子を出産し親子ともども、「椎葉の地」で穏やかな日々を送ったと伝えられています。

 

 この平家伝説の中にありますとおり、大八郎が平家残党の叛意なき姿を深く憐れみ、平家尊々の広島県安芸の宮島「厳島神社」の守護神を勧請して創祀したとされています。

 

 ちなみに、この「厳島神社」は、県内では椎葉村のほかに新富町」にもあり、全国では約500社あるともいわれております。なお、広島県安芸の「厳島神社」が総本社のようです。

 

皆さんも一度「厳島神社めぐり」をされてみていかがでしょうか。